【eJudo’s EYE 】未知の領域に足踏み入れた髙藤直寿、「語録」からこの日の柔道を紐解く／タシケント世界柔道選手権2022・早出し評

文責：古田英毅
Text by Hideki Furuta

凄まじい出来の1日、「髙藤語録」から試合を紐解く

60kg級を制した髙藤直寿(パーク24)は想像を絶する出来を見せた。今回の髙藤の柔道を解釈するにもっともふさわしいのは、中継局のフジテレビが開幕前日の「Live News α」で放送した髙藤のインタビュー。短いながら髙藤の柔道の紹介として実に芯を食っているな、と感心したものだが、ここでの発言をキーワードにこの日の柔道を紐解いてみたい。

「相手の逃げ道をなくして、１つだけ残った逃げ道を狙って技を仕掛ける」。モリッツ・プラフキー(ドイツ)戦、ジョン・スンビョン(韓国)戦、フランシスコ・ガリーゴス(スペイン)戦、そして山場の準決勝ヤン・ユンウェイ(台湾)戦。すべてがこれに則っていた。