エントリーは41名。シード順を決定する基準が、例年の「大会直前のランキング」から「7月のグランプリ・ザグレブ終了時のランキング」に急遽変更され、シード順も「概況解説・シード予想」で示した予想から変わることとなった。ただし、この階級は第8シードがボルド・ガンハイチ(モンゴル)からカタリナ・ヘッカー(オーストラリア)に変わったくらいで、大きな変化はない。
他階級でシード順が大きく変わった要因は、ポイント獲得基準時点が遡り、2021年7月の東京五輪で得たポイントがそのまま生きる形になったこと。しかし、63kg級は五輪の上位選手が大会終了後にごっそり抜けているため、そもそも大きな影響を受けることがなかった。また、これら強豪の大量離脱によってこの階級は過去に類を見ない混戦時代を迎えており、この新生態系における序列も未確定。飛び抜けた実力を持つ選手もいない。そもそもシード順が持つ意味自体が薄い。
日本代表の堀川恵(パーク24)は「概況解説・シード予想」でも述べたとおり、実力的には十分に優勝に手が届く位置にいる。あとは持てる力を発揮できるかどうかだけ。となれば最重要ファクターはコンディション。まずは序盤戦、その戦いぶりで調子のほどを確認したい。
配置も粘戦タイプで厄介なキャサリン・ブーシェミン=ピナード(カナダ)とケトレイン・クアドロス(ブラジル)の両者と山が分かれ、かつシード選手には最も戦いやすいヘッカーが置かれたプールA下側の山を引いた。ヘッカー以外に特筆すべき有力選手はおらず、ベスト8までの勝ち上がりはほぼ確実と言ってしまってよいだろう。最初の山場は続く準々決勝。ここで昨年11月のグランドスラム・バクーで敗れたボルド・ガンハイチ(モンゴル)と対戦する可能性がある。とはいえ、最近の成績からすれば、順当ならばルーシー・レンシャル(イギリス)が勝ち上がってくるはず。確かに最初の山場ではあるものの、乗り越えるべき山の標高は高くない。丁寧に戦えば、それほど苦労することなくベスト4入りとなるはずだ。
スポンサーリンク