【eJudo’s EYE】グリガラシヴィリvsカッスの「超人対決」は大会ベストバウト、永瀬は不調も組み手の上手さテコに3位を確保/タシケント世界柔道選手権2022・早出し評

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文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

大会第4日、81kg級が熱かった。ごく簡単だが、熱の冷めないうちにインプレッションを記しておきたい。

「相手の強さが己の本質炙り出した」81kg級決勝は大会ベストバウト

タト・グリガラシヴィリとマティアス・カッスによる81kg級決勝

「誰が勝ってもおかしくない」というありがちな言葉が、正味に、そして極めて高いレベルで実現しているオールスター階級・81kg級。その王座を決める決勝戦、タト・グリガラシヴィリ(ジョージア)とマティアス・カッス(ベルギー)の闘いは凄かった。感動ものであった。

何が良かったか、ズバリ言ってまずその内容である。あまりに相手が強過ぎて、お互いが、こいつに勝つには自分のもっとも強い部分をぶつけねばならない、己の本質を剥き出しにして戦わねば勝ちはないと肚を決めて、知力・体力すべてを振り絞って戦った。単にゲームとして勝ちを掠め取るのではなく、文字通り相手を「倒す」ことを目指して己の本質をぶつけあった。言葉にすると陳腐なのだが、まさに全身全霊を尽くした戦いだった。魂のぶつかりあいだった。凄く、良かった。

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