「ある行動は近い目的を達するためには有効でも、遠大の目的のためには有害のこともある。」
出典:「勤労の能率増加について」
柔道2巻10号 大正5年(1916)10月 (『嘉納治五郎大系』4巻241頁)
嘉納師範を柔道あるいは体育・スポーツという面からしか知らない人にとっては、異質に感じられるであろう「勤労の能率増加について」と題された今回の出典となる論考。
発表されたのは、大正5年(1916)、「精力善用」が世に発せられるより前ですが、その内容は「精力善用」に深く通じるものがあります。
師範の筆致は、一部を除いて、非常に分かりやすく、より多くの人に自らの考えを知ってもらおうとする姿勢がうかがえますが、今回の「ひとこと」も、文章、意味自体は、難しくないでしょう。
さて、「能率」や「効率」、あるいは「(嘉納師範遺訓にみられる)有効」性を高めようとする時、まず目的を明確にすることが重要です。目的次第で、効率の良い行動は変わります。
スポンサーリンク