【eJudo’s EYE】好感持てたジャッジ、違和感あれば変えるべきは「ルール自体」/令和3年全日本柔道選手権評③

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決勝終了。大きく言って、審判団が取るべき「指導」をしっかり取った大会だった。
決勝終了。大きく言って、審判団が取るべき「指導」をしっかり取った大会だった。

文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

■好感持てたジャッジ、違和感あれば変えるべきは「ルール自体」

テクニカルファウルをきちんと取る、そして消極的試合姿勢の反則をしっかり取る今大会のジャッジには好感を持った。「ルール通り」だ。判定のブレが大きすぎた学生3大会(国際大会の基準通りの判定を行う見識高い主審が、周囲の「国内運用」に押し切られてしまう様も幾度か見かけた)にやや辟易させられていたこともあるが、ルールはルールとキッチリ反則を採っていく様は見ていて納得感があった。現在のIJF大会の基本的な方針である、ジャッジによって投げ合うことを奨励し、より明確な決着を目指すという姿勢も、選手の試合ぶりによく反映されていたと思う。

ただし、国際柔道連盟試合審判規定が全日本柔道選手権を仕切るにふさわしいルールであるかどうかとなると話はまったく別だ。だから、たとえばもし「全日本選手権としては反則を頻繁に取り過ぎではないか」とか「『指導』が早すぎるのではないか」あるいは「こんなに反則をキチキチ取っては体の小さいものが不利だ」いう意見があるのであれば、審判員に注文を付けるのは筋違い。ルール自体を変えろと主張すべきだ。審判員は規則に則って厳密に捌くことが仕事。これが大前提であり、そして今大会の審判団は大きく言ってしっかり仕事を果たしていた。もし違和感があるのであれば、変えるべきは「運用」ではなく「法」それ自体である。

そして筆者は変わらず、全日本選手権には、この大会に向いた独自ルールが必要という立場を取る。何度も言って来たが、国際柔道試合審判規定(IJFルール)は同階級の戦いを前提と

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