著者紹介:Aya
Xの人気アカウント「2025judo」を運営する、柔道ファン界隈きっての「見上手」。SNS投稿の紹介はもちろん、試合情報に関しても的確なピックアップとわかりやすい紹介が好評、ファンのみならず選手間でもよく知られる。代表選手の中には「これさえ見ていればツアーの流れがわかる」と、このアカウントをウォッチするためにXを始めた方もいるほど。
※「ケアシステム」=皆さんご存じの、審判用の試合動画録画・再生システム。技の効果や反則判定のチェックなどに使用されます。正式名称“CARE(Computer Aided Replay)システム”
話題の「TATAMI」をついに鑑賞!
以前の記事でも紹介した、現在全国で公開中の映画「TATAMI」。東京に行く機会があったため、それを利用して観てきました!
「新宿武蔵野館」で鑑賞
調べたところ、東京では現在、「新宿武蔵野館」という映画館でのみ上映中で、しかも一日一回の上映でした。ギリギリ間に合って滑り込みセーフ!どうしても観たかったので、とても嬉しかったです。
この「新宿武蔵野館」ですが、とても素敵な場所でした。東宝シネマズ(近場にこれしかない)という大規模映画館に馴染んだ私にとって、久々にヒットな映画館。新宿駅の目の前というアクセスの良さも最高でしたし、館中はこじんまりとしていて、とても綺麗でした。
映画の内容について
さて、肝心の映画の内容ですが…結論から言うと、めちゃくちゃ良かったです!映画館の大きいスクリーンで見ることをお勧めします!
上映開始からすぐにJudoTVでお馴染みのニール・アダムスのテンション高めな実況中継シーンが始まり、思わず笑ってしまいました。
ストーリーは、古田英毅編集長の本作に関するトークイベント(以下に動画あり)の内容を読んでいたので把握していましたが、スリリングでサスペンス性のある展開に引き込まれました。
主人公の女子選手の姿が、どうしてもサイード・モラエイ(現アゼルバイジャン)選手と重なって見え、彼も同じような状況に直面していたのかと想像すると、とても胸が苦しくなり、涙なしには観られませんでした(脳内ではほぼモラエイに変換されていました)。
また、メインの柔道シーンはどれも大迫力で素晴らしく、本当に本物の選手じゃないの?と疑うほどの完成度でした。この世界に生きているすべての人にお勧めしたい映画です。まだ上映中なので、ぜひ映画館で観てください!
古田英毅編集長が登壇した試写会イベントの様子です。活字派の方はこちらからどうぞ。
映画を見て感じたこと
「家族の命と引き換えに、これまで努力してきた柔道の成果を捨てる」決断を迫られる苦しみは、日本では想像もつかないものです。スポーツと政治の関係や、オリンピックの存在意義について深く考えさせられる内容でした。
日本では、スポーツ選手やアーティストが政治的発言を控えるべきだという風潮がありますが、それは平和な環境で生きてきたからこその弊害だと感じます。この映画では、イランとイスラエルの対立について具体的な説明はありませんでしたが、それゆえに、現在進行形で世界が直面している紛争について改めて考えさせられる良い機会となりました。
最後に残念だった点を一つ。この物語はモラエイの実話を基にしているものの、女性の物語として描かれています。エンタメ作品ではよくある手法かもしれませんが、主人公の性別を変えることで、伝わるメッセージに違う解釈が生じる可能性があり、ここだけは個人的に引っ掛かりました。
「TATAMI」
サイード・モラエイ(アゼルバイジャン)
鍋倉那美と藤本彩月は早速スウェーデンで活躍中
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