②一回戦(下)/令和4年全日本柔道選手権大会振り返り座談会

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令和4年全日本柔道選手権振り返り座談会(朝飛、上水、西森、古田)
座談会は5月3日、4日にオンラインで行われた。右上から時計回りに西森大氏、上水研一朗氏、朝飛大氏、司会の古田。

①一回戦(上)からつづく)

一回戦

中野寛太(近畿・天理大4年)○内股(2:54)△上川大樹(中国・広島刑務所)

中野寛太が内股「一本」。足技の打ち合いに、かち合わせた形だった。

中野が左、上川が右組みのケンカ四つ。上川釣り手を上から持ち、中野が下から持ち返しての引き手争い。中野は強烈な左出足払を2度、場内にバンと大きな音が響き渡る。引き手争いが続くが、上川の手先を求める動きが利いたか37秒中野に片手のゼスチャーとともに「指導」。以後は組み手争いのさなか徐々に中野が前に出始め、強烈な左出足払に右の払釣込足を叩き入れて次第に優勢。上川時折良い作りの気配を見せるが、ことごとくこの足技に楔を打たれ、なかなか大きな技に繋げない。2分過ぎに引き手で袖、釣り手で上から高く襟を握る良い組み手を作るが、ここで試みんとした右内股は力が掛かるに至らず。中野が左大内刈から左出足払と繋いで場外まで押し出し、このチャンスは潰える。続く展開、引き手を持ちあったところで中野が腹を出して思い切り左出足払。そのまま左足車に繋ぐが、この技と上川の右送足払がかち合う。上川の送足払は中野の脚が振り上がったあとの空間、股中に突っ込んでしまう形となって空振り。ここからの戻りの動作に中野の足を戻しながらの左内股がかち合う格好となり、バランスを失った上川はストンと崩落。中野が時計回りの捩じりを呉れながら浴びせ「一本」。双方いつ大技が飛び出すかわからぬ緊張感ある試合、見ごたえある一番だった。(戦評・古田英毅)

古田 1回戦、トーナメントは逆サイドに参りまして第8試合。中野寛太選手と上川大樹選手の一番です、上水先生のほうからお願いします。

上水 新旧の実力者同士の対戦、かなり楽しみにしていました。やはり中野選手が地力をつけたという印象ですね。大枠、上川選手を寄せ付けなかった。少し浮かされたりとか危ないシーンが出て来る可能性があるかなと思ったのですが、特段慌てることもなく、そういう場面もなかった。中野選手の成長の証ですね。普通であれば、上川選手と組むとやはり怖いと思うんですよ。しかし組んでも怯えることがなかった。相当地力をつけているなと感じました。最後もここぞというタイミングでピチっと合わせて投げました。重量級の実力者はだんだんこういう戦い方が出来るようになってきます。中野選手が大学4年生になって、いよいよそのレベルになって来たということですね。

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