愛媛県武道館(松山市)で行われているインターハイ柔道競技(令和4年度全国高等学校総合体育大会柔道競技・第71回全国高等学校柔道大会)は最終日の10日、女子個人試合4階級の競技を実施した。
重量2階級は団体試合を制した富士学苑高(山梨)のポイントゲッター2人が優勝、今大会2冠を達成した。
78kg超級の山本海蘭は、前日の団体決勝の代表戦で「一本」を決めた優勝の立役者。この日は「動きが悪く、自分としては一番の山場になった」という初戦(2回戦)で池田実琴(長崎・長崎明誠高)を1分21秒裏投「一本」で破るという出だし。団体戦では封印していた技だったが、「一か八かの技に頼っていてはいけない」とここで落ち着きを取り戻し、以後は丁寧な進退。3回戦は山口紅炎(福島・若松商高)を開始12秒の内股「一本」、準々決勝は山口晏奈(奈良・天理高)を2分8秒内股と横四方固の合技「一本」、準決勝は山口ひかる(愛知・大成高)を1分21秒大外返と後袈裟固の合技「一本」と順当な勝ち上がりを見せる。決勝は試合開始早々に井上朋香(佐賀・佐賀商高)を伏せさせ、残った腕を取って「腕緘返し」。僅か1分20秒の横四方固「一本」で勝負を決めた。
初戦敗退に終わった昨年度大会からジャンプアップ。試合後は「あの時はまだ勝つ準備が出来ていなかった。今年は金鷲旗で優勝した後も、日本一になるために怠りなく準備してきた」と語って破顔。金鷲旗、団体試合、そしてこの日の個人試合と2週間で3度の日本一を経験したその表情には、風格が漂い始めていた。
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