追悼水島新司さん 柔道漫画としての「ドカベン」/eJudoマンガ夜話・特別編

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文:東弘太郎 
Text by Kotaro Azuma

「eJudoマンガ夜話」でおなじみの東弘太郎さんから、先般ご逝去された水島新司さんの追悼企画として「ドカベン」(柔道編)についてお書き頂きました。野球漫画の泰斗であり野球文化に多大な貢献をされた水島さんですが、この作品では実にイキイキと柔道を描いて下さっています。感謝しかありません。われわれが出来ることはこの作品の価値を徹底的に「柔道側」から語ること。それが水島さんへの敬意と感謝を示す道と考えます。水島さん、ありがとうございました。(編集部 古田)

 

野球漫画の金字塔「ドカベン」。1巻から7巻までは「柔道編」。(c)S.Mizushima/秋田書店

柔道マンガとしての「ドカベン」

1月、漫画家の水島新司さんが亡くなった。「ドカベン」で競技としての野球の奥深さを知り、「あぶさん」で人生の機微を知ったというeJudo読者も多いと思う。私もその1人である。

死去が知らされると多くの新聞、雑誌に追悼記事が掲載された。当然ながら、そのほとんどは野球側から、野球文化に対する貢献についての紹介であった。しかし、ご存じの通り、「ドカベン」は、スタート当初は柔道漫画としてスタートしている。(当時、他誌で高校野球漫画を連載しており、それが終わってから野球にと考えていたことを、後にご本人が雑誌のインタビューで答えている。)柔道編は、コミックスにして7巻ほどになり、野球編に入るまでの代打としてだけでは片付けられない、語りたいポイントに満ちている。今回は、追悼の意を込めて、「ドカベン」を柔道漫画史に位置づけ、「柔道の側から」語ってみたい。

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