令和5年全日本柔道選手権大会の開幕がいよいよ来週末、29日(土祝)に迫った。 本番を前に、eJudoでは今年も恒例の「予想座談会」を企画。今回も1回戦から決勝まで全試合の結果を大胆に予想し、みどころを語り合った。読み終わればすべての選手に感情移入、一段も二段も全日本を楽しめること請け合いである。勝ち負けの「外れ」は織り込み済み。全日本を楽しみ尽くすガイドとして存分にお楽しみ頂きたい。
そしておなじみの識者たちに加え、今年は昨年まで選手としてこの舞台で活躍した「全日本男」垣田恭兵氏をスペシャルゲストとして招聘した。「ほとんどの出場選手と実際に組み合ったことがある」現役選手目線を存分に盛り込んだその解説も、ぜひご堪能頂きたい。
※座談会は4月16日にオンラインで開催されました。
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古田 今年も恒例の全日本柔道選手権・予想座談会を開催いたします。皆さま、宜しくお願いいたします。
朝飛 垣田 西森 よろしくお願いします。
古田 読者の皆さんは既によくご存じと思いますが、参加されるお三方を簡単に紹介させて頂きます。
古田 朝飛大先生は日本を代表する指導者で、全日本選手権にも多くの選手を送り込まれています。教え子の羽賀龍之介選手は令和2年大会で優勝、令和3年大会で準優勝して今大会も優勝候補の一角です。そしてご自身、さらにお父様の朝飛速夫氏もかつてこの大会に出場しており、ひときわ「全日本」に縁の濃いかたです。
古田 西森大さんはNHKで長年取材の最前線で活躍して来られて、もっかは全日本柔道連盟の広報委員としても活動。さらにご自身も実業団チームの監督兼選手という顔を持つ柔道家でもいらっしゃいます。近年の全日本選手権では公式プログラムの「全日本選手権を彩った名選手たち」のコーナーを担当、往年の名選手たちの全日本選手権にかける思いをインタビューされています。朝飛先生同様、私など足元にも及ばぬ柔道マニアであり、私が日々の取材・執筆活動で非常に頼りにさせて頂いているまさに「識者」です。
古田 そして今回はスペシャルゲスト、昨年までは畳の上にあり、この座談会でも「語られる」側の常連選手であった「全日本男」、垣田恭兵さんをお招き致しました。垣田さんは旭化成所属。平成25(2013)年大会、25歳での初出場を皮切りにこの大会に9度出場し、平成25年大会と令和3(2021)年大会ではみごとベスト4まで勝ち進んでいます。数々の名勝負を通じて全日本選手権という場の魅力を私たちに見せつけてくれた、全日本のまさに名役者です。「2度ベスト4進出」というラベルだけでは括り切れない、史上に特筆さるるべき業師であり、勝負師であり、戦略家でした。全日本という場と勝負の綾を知悉するその頭脳的な戦いぶりと精度の高い技術を目の当たりにして、ぜひともこの場にお越しいただきたいとかねてより狙っておりました。昨秋の現役引退を受けて、さっそくオファーをさせて頂いた次第です。今回出場する選手ほとんど全員と何らかの形で組み合ったことがあるということで、選手目線での血の通った解説にも大いに期待したいと思います。お三方とも、柔道史・技術に造詣の深いマニアであることはもちろん、なによりひときわ「全日本選手権」という価値に感度高い方々、今年もよろしくお願い致します。例によって私はなるべくなるべく司会に徹して、皆さんの話を引き出す役割という体で進めてまいりたいと思います。
私の「垣田恭兵・全日本ベストバウト」
古田 というわけで改めまして。今回は「全日本男」垣田恭兵さんにご参加いただけることとなりました。垣田さん、宜しくお願いします。
垣田 宜しくお願いします。選手時代からこの座談会は本当に楽しく読ませて頂いていて、いつも「俺も入りたいな」と思っていました(笑)。今日は本当に楽しみです。選手としては、技術や試合展開を言葉にすることが好きな方でしたので、自分なりに整理して、頑張ってお話させて頂きたいと思います。
古田 本当に楽しみです。そして、せっかく垣田さんにお越しいただいたので、久しぶりにかつてこの座談会の売りであった「冒頭の特別企画」をやりたいと思います。今年はまず「全日本男・垣田恭兵ベストバウト」を語るということでいかがでしょう。
西森 ぜひやりましょう!
識者が選ぶ「垣田恭兵・全日本選手権ベストバウト」
古田 ありがとうございます、まずは朝飛先生、西森さんの順に「ベストバウト」を挙げて頂き、その上で垣田さん自身に「私のベストバウト」を選んでお話頂ければと思います。では、朝飛先生お願いします。
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