【コラム】価値揺らぐ10年支えた2人の「全日本男」、加藤博剛と垣田恭兵/令和5年全日本柔道選手権大会

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文責:eJudo編集部

畳を去った2人の「全日本男」

全日本柔道選手権

今年も全日本柔道選手権の季節が近づいてきた。組合せ表を見て、楽しみに思う反面、見慣れた名前がないことに寂しさを覚える柔道ファンも少なくないと思う。斉藤立?ウルフアロン?影浦心?もちろん彼らが出場しないのは残念だが、いずれまた日本武道館の畳の上で見られるはず。寂しいのは私たちが「全日本男」の名を冠する2人、加藤博剛垣田恭兵の不在である。体重別であれば90kg級の2人(選手生活の後半はともに100kg級)が、並み居る大型選手を翻弄するさまは、まさに大会の華。2人の大暴れはこの10年間の全日本選手権を語るに欠かせない、毎年恒例のもはや風物詩であった。特に加藤は優勝1回、2位1回、3位2回。歴代の全日本選手権者の中でも、さらに一段上の成績を残しており、ロンドンオリンピックが開催された平成24年(2012年)から、東京オリンピックの令和3年(2021年)まで、王子谷、原沢、ウルフらが覇権を競った華やかな重量級王者時代の「もう一人の主役」であったと言っても過言ではない。今回、改めて「全日本男」の系譜、そして彼らが果たした歴史的役割について、思いを馳せたい。

「全日本男」の条件とは

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