今朝がた終了したIJFワールドツアー年1回の祭典、ワールドマスターズ・ハンガリー2023の男子日本代表採点をお届けする。採点に際してもっとも重視したのはいつもの通り、「己の持てる力を十分発揮したかどうか」。
文責:古田英毅
60kg級 髙藤直寿(パーク24) 5.5点
成績:3位
率直に、柔道がバラバラという印象だった。大技を狙い過ぎたドーハ世界選手権を受けて、大会前に「確実な柔道と良い投げを狙う2つのモードを融合させる」、「投げたい意志と確実に投げられる場面のすり合わせをする」と“コントール”を課題に挙げていた髙藤だが、ここが出来ていなかった。2つのモードはリンクせず、衝動はコントロールし切れず。敗れたキム・ウォンジン戦はもちろんのこと、一時「指導」差0-2のリードを許したセリクバエフ戦も戦術選択が噛み合っていなかった。衰えなのか調整の不具合なのか、それとも試合勘の問題なのか、もしかすると髙藤のようなタイプは試合に出続けているほうが良いのではないか、など色々考えさせられるところではあるが、少なくとも「想定」(稽古)と「実際」(試合)にズレがあることは間違いない。昨年の時点では絶対的な強さを誇った髙藤だが、意外な袋小路に迷い込んでしまった。ただしこの状態できちんと銅メダルを得たことはさすが。1敗するなり気持ちが切れたドーハ世界選手権とはここが大きく違った。内容は5.0も、銅メダルという成績で加点。5.5点とした。
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