「対手にできるだけの便宜を与えるがよい。」
出典:「柔道家に是非持っていてもらいたい精神」
有効の活動6巻5号 大正9年(1920)5月 (『嘉納治五郎大系』2巻230頁
相手の実力を最大限に引き出させず、自分が有利な状況で戦うこと。
これはあらゆる争いにおいて勝利を収めるために不可欠な考え方であり、多くの「戦術」や「戦略」の基盤となる思想です。
柔道においても、それは同様です。例えば、立ち姿勢の攻防において重要な要素である「組み手」。
互いに組み合うことを理想としながらも、この「組み手」でいかに優位に立つかが、勝敗の鍵となることは、読者の皆様には「釈迦に説法」でしょう。
ところが、嘉納師範は今回の「ひとこと」のように出来るだけ相手に便宜を与えるように主張します(※)。
師範は次のような例え話で、修行者に語りかけます。
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