出典:「立身栄達の捷径」 有効の活動 5巻2号 大正8年(1919)2月
(『嘉納治五郎大系』2巻68頁)
過去のことを知ろうとする「歴史研究」。
この歴史研究に欠かせないのが<史料>ですが、その中でも、特に貴重とされるものが、直筆による原稿や手紙、日記です。研究が進んでいる分野では、この史料の発掘・整理が進んでいます(史料がしっかり残っているからこそ、研究が進んでいるということもあるかもしれませんが・・・)。
さて、我らが嘉納治五郎師範ですが、同時代の著名人と比べた時、そういった整理が進んでいるとは言えません。その膨大な著作は『嘉納治五郎大系』という全集形式にまとめられていますが、もれた史料も多数あることが、近年明らかになっています。また、師範直筆の史料も含まれておらず、一般の人は接することが難しいのが現状です。
ただ、個人的に収集した師範の貴重な史料を公開し、多くの方々に見てもらおうとする人もいます。そういった趣旨から公開された史料の中に、師範が家族にあてたハガキ類があります。発信元は国内はもちろん、海外からのものも。また内容もひとこと、ふたことのものから、数行にわたるものまで存在します。
今のようにメールはもちろん電話も普及していなかった時代、主な連絡手段であったと思われる手紙。出先からでも家族のことを忘れず、常に気遣っていた様子がうかがえます。
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