【隔週刊・嘉納治五郎師範のひとこと】第41回「柔道真剣勝負の秘訣は一言にしてつくすことが出来る。ただ、死を決して一気に戦うにある。」

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嘉納治五郎師範_MASTER JIGORO KANO

「柔道真剣勝負の秘訣は一言にしてつくすことが出来る。ただ、死を決して一気に戦うにある。」

出典:「名人達人秘伝公開」 キング2巻6号 大正15年(1926)6月
(『嘉納治五郎大系』未収録)

東京オリンピックをテーマとした2019年のNHK大河ドラマ「いだてん」。嘉納治五郎師範を誰が演じるのか楽しみにしていましたが、先日、役所広司氏であることが発表されました。

役所広司氏が名優として数多くの作品を残していることは周知のことですが、その中に、同じNHKの新大型時代劇「宮本武蔵」があります。この作品で主人公・宮本武蔵を演じた役所氏は、今回の「いだてん」で、近世・近代を代表する武道家を演じた貴重な俳優となるでしょう。

さて、宮本武蔵といえば『五輪書』が有名ですが、その中に<構えは5つに分類することが出来るが、全て人を切るためのものである>という一節があります。<人を切るため>等とサラッと書けるところに、戦国時代末期に生を受け、60回を超える勝負を行い-その中には、命をかけた勝負もあったでしょう-、勝ち続けた人間の凄みが伝わってきます。

師範と同じ万延元年(1860)に生まれた武道家がいます。合気道の源流と言われる大東流の武田惣角翁です。師範が明治以降の近代日本における、いわゆるエリート層の人間であったのに対して、武田翁は在野でその一生を終えました。弟子は数多くいたようですが、道場を構え、長期的な教授を行うなどせず、流派の組織的な普及も望んでいなかったようです。そのため存命中、その名前・流派も知る人ぞ知る存在でした。

この武田翁は実戦家であり、他流派の人との立ち合いのエピソードも残っています。また、実際に人を殺めたこともあるようです。

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