身体を強くするということは、強い身体でなければ堪えないほどの仕事をし得るようになるためである、ということを忘れてはならぬ。」
出典:「上段の柔道について」 柔道4巻8号 大正7年(1918)8月
(『嘉納治五郎大系』2巻,60頁)
「自分の身体(からだ)が著しくよくなったことを感じてきた」。
嘉納師範が回顧する柔術修行の成果の一部です。きわめて虚弱な身体で、肉体的には大抵の人より劣っていたと述懐する師範ですが、柔術の修行で、このような成果を得たことが<こんな素晴らしいものは独占せず広く人に伝えたい>という思いに繋がり、講道館柔道創始のきっかけとなりました。
皆さんも柔道を修行することにより、筋肉がつき逞しくなったり、健康になったり、持久力がつくことなどを経験していると思います。また、柔道を経験していない人も、身近でそういう人を見たことがあると思います。
「体育」は柔道の目的の1つですが、師範の考える「体育」に精神面を向上させるという意味合いは少なく、「強」「健」「用」の3つを具体的な目的として挙げています。それぞれの意味を(少し乱暴ですが)簡単に言いますと、
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