【隔週刊・嘉納治五郎師範のひとこと】第83回「外国人が他国の言葉をつかって間違うのは当然なことといってよい。」

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嘉納治五郎師範_MASTER JIGORO KANO

外国人が他国の言葉をつかって間違うのは当然なことといってよい。

出典:「教育家としての嘉納治五郎 第4回」
作興8巻5号 昭和4年5月 (『嘉納治五郎大系』10巻221頁)

なかなか夏らしい暑さにならない・・・等と思っていた前回から、一転、急に夏らしい暑い日が続いています。夏休みに入り、(道衣を持つ、持たないは別として)人の移動が増えてきます。そんな流れの中、外国人と接する機会もあるでしょう。
皆さんは、外国人とのコミュニケーションについて、どういう風に思っていますか?実は、苦手だ・・・という人は少なくないでしょう。
 
嘉納治五郎師範は、外国語が堪能な国際人でした。英文で記した日記(非公開)や、国際オリンピック委員としての国内外での活動も、その事実を裏付けます。

そんな師範の外国語習得の経歴については、東京外国語大学の東憲一氏が「嘉納治五郎の外国語学習」(http://kodokanjudoinstitute.org/docs/1502Ken-ichiHigashi.pdf)と題して簡単にまとめていますので、興味がある方はご一読ください。

さて、頭脳明晰な師範ですから、外国語も軽々と身につけたと思うかも知れませんが・・・そうではなかったようです。本連載でも、師範の勉学における苦労は紹介しましたが、語学についても同様だったようです。それでも「読む」「書く」は、最初から、かなり実力があったようです。対して、一筋縄ではいかなかったのがコミュニケーションの根本「会話」です。
原因は「失敗を気にする」、「正しいことを最初から話そうとしたこと」でした。

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