「 現在のところは(オリンピック種目を柔道に入れる可能性は)ない。 」
出典:「嘉納師範に柔道を聴く―――エイ・エフ・タマス」
柔道5巻8号 昭和9年8月 (『嘉納治五郎大系』10巻337頁)
皆さんはNHK大河ドラマ「いだてん」を見ていますか?
物語は、いよいよ東京オリンピックの招致にはいり、役所広司さんが演じる<嘉納先生>の活躍が見られるのも、後少しとなりました
役所版・嘉納先生、様々な感想があるようですが、私自身は、ユニークな嘉納師範で、あれはあれで良いと思います。少々乱暴なくらいのエネルギッシュさは、聖人君子、あるいは柔道の神様として師範を見ている方には、許しがたいものかもしれません。
ただ、嘉納師範も人間ですから、当時から様々な評価をされているはずですし、歴史上の人物である以上、後世の人からも、いろいろな評価があってしかるべきです。ところが、師範は、そういった多様な評価がされにくい雰囲気があります。
このあたり、筆者は思うところがありますが、本論ではないので、このあたりで・・・。
いきなり、話が横道にそれてしまいましたが、その「いだてん」で先日「おやっ」と思うシーンがありました。オリンピックのために訪米した師範は選手村で、柔道のパフォーマンスと、顔写真入りの『柔道教本』を販売します(顔写真入りの『柔道教本』と販売はフィクションかもしれませんが、本の発刊と時期は史実通りです)。その後、<カッパ野郎>こと、阿部サダヲ氏が熱演する田畑政治氏が師範に柔道をオリンピックの種目に入れる意志はないのか問いかけます。
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