「多くの人に零砕時間の利用の出来ないのは、一(ひとつ)はちょうどそれほどの短時間になし了(おわ)るべき適当の仕事を見いださないからである。」
出典:『青年修養訓』 明治43年12月 (『嘉納治五郎大系』7巻133頁)
前回の記事で、「精力善用」という理念が技の原理探求の成果と言われていることを紹介しました。ところが、あまり知られていませんが、「精力善用」にはもう1つのルーツがあります。
師範の学生時代、根詰めて勉強をしているように見えないのに、成績が良い友人がいたそうです。不思議に思い、その友人を観察したところ、ちょっとした空き時間を無駄にせず、上手に利用していることに師範は気づきました。そして、この出来事が後の「精力善用」成立に影響を与えたと書き残しています。
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