「主義はただ知るだけでは足れりとしない。これを行ってこそ、真の価値が認めらるるのである」
出典:「主義はその何たるかを知るだけでなく実行してこそ価値がある」
作興6巻12号 昭和2年(1927)12月 (『嘉納治五郎大系』8巻272頁)
冒頭から1つ質問です。
「皆さんは『精力善用』『自他共栄』という言葉を知っていますか?」
「もちろん知っている」という方が大半でしょうか。
では、続いてもう1つ質問を。
「皆さんは『精力善用』『自他共栄』を実行していますか?」
いかがでしょう?皆さんはどう答えますか?
今回の「ひとこと」内で出てくる主義というのは、大正11年(1922)1月、講道館文化会の発足を機に発表した「精力善用」「自他共栄」のことです。引用元の論考が発表されたのは昭和2年(1927)の12月ですので「精力善用」「自他共栄」が発表されてから約6年経過しています。
この頃になると雑誌や講演などによる普及活動のかいがあり、知らない人からも「精力善用」「自他共栄」の揮毫(キゴウ・文字を筆で書くこと)を頼まれることがあると師範は述べています。その喜びを表した直後の一文が今回の「ひとこと」になります。
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