体重無差別で日本一を争う全日本柔道選手権に、73kg級の五輪2連覇者・大野将平(推薦・旭化成)が出場。1回戦で関東地区王者の前田宗哉(関東・自衛隊体育学校)と息詰まる「大外刈対決」を繰り広げた。
90kg級の強者・前田のアイデンティティも大外刈、そして組み手も右相四つ。「刈り合い」でかち合うこの関係を両者が合意したかのように、試合はがっぷりの組み合い、そして足を止めての撃ち合い。大野は体格で大きく劣りながらも引き手腋ベースの強気の組み手から大外刈を打ち込み、大外刈を返し、さらに「準備していた」という巴投、最終盤には袖釣込腰も見せた。大野が技を掛けるたび、「待て」が掛かるたび、そしてがっぷり組み合うたびに観客席から拍手が降り注ぎ、日本武道館は沸いた。
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