令和4年全日本柔道選手権大会・全試合戦評④準々決勝~決勝

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大会日時:2022(R4)年4月29日 会場:日本武道館
文責:古田英毅

準々決勝

小川雄勢(東京・パーク24)○GS反則[指導3](GS6:11)△太田彪雅(推薦・旭化成)

小川雄勢が上から首裏を持ち、太田彪雅は下から拳を通して対峙。

太田が右、小川が左組みのケンカ四つ。小川は釣り手を上から、掌で首裏を抱える体で深く持って圧力を掛けんとする。しかし太田は下から持った釣り手の拳をしっかり肩の上まで抜き、力が掛かる形を作り続ける。形上は引き手争いが続くが、釣り手で組み勝っている太田が潜在的に優位。主審この関係を的確に見極め、44秒小川の側に「指導」。以降も太田が釣り手を内側から、拳を肩まで抜いて手首を立てる良い組み手を継続。しかし小川も粘り強く進退、首裏を深く持ち、片手の左内股を交えながら我慢を続ける。ひときわ深く後襟を持つことに成功した2分過ぎにはここぞとばかりに引き手を激しく求め、1分34秒には太田の側にも片手のゼスチャーとともに「指導」。手詰まりを感じた太田は引き手で近い襟を持ち、釣り手で脇を差して背中にアクセスする大胆な手立て。続く展開も脇を差すと四指で後襟を掴み、またもや背中を抱く。いずれも小川は過剰に反応、巻き込みで自ら掛け潰れる形で潰れ「待て」。以降もこの、小川が釣り手で上から首裏を抱いて圧力、太田が釣り手を内側から入れて対抗しつつ時折背中にアクセスするという形が繰り返され、あっという間に本戦4分間が終わる。試合はGS延長戦へ。

GS2分15秒、太田が右内股もポイントならず。この後太田は急激に消耗、これが最後のチャンスとなった。
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