【月刊・嘉納治五郎師範のひとこと】第118回「一見容易に説明出来ることと思うていたことが存外(ぞんがい)むつかしく、種々の疑問を生じ、さらに研究を要することを発見する場合は少なくない。」

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月刊・嘉納治五郎師範のひとこと
月刊・嘉納治五郎師範のひとこと

「一見容易に説明出来ることと思うていたことが存外(ぞんがい)むつかしく、種々の疑問を生じ、さらに研究を要することを発見する場合は少なくない。」

出典:「本会の支部分団に対して希望を述ぶ」作興6巻2号,昭和2年2月
 (『嘉納治五郎大系』1巻214頁)

大正11年(1922)は講道館にとってエポックメイキングとなる年でした。
第116回で紹介したとおり、嘉納師範が「精力善用」「自他共栄」の基礎となる概念を確立、さらに、現在まで続く段位推薦制度を構築した年でした。

段位推薦制度について、少し触れます。
講道館の規模がまだ小さい時、昇段は嘉納師範一人で決めていました。しかし、講道館柔道が全国に広まるにつれ、それが困難になってきました。そのため、地方の修行者の昇段に対応する制度が徐々に整えられ、大正11年の講道館文化会の設立と同時期に、各地の有段者会(※)から、昇段候補者を講道館へ推薦出来るようになりました。各有段者会から推薦された候補者は、講道館で、さらなる審議を経た後、正式に昇段が認定されました(もちろん、何も問題がない場合です)。
昇段試験に合格した日と段証書に記された日付が異なるのは、現在まで続くこの制度のためです。

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