「今日日本で行わるる宴会の有様を観る時は、大いに改良を要することがあると思う。」
出典:「柔道と宴会」
有効の活動 第7巻7号 大正10年(1921)7月(『嘉納治五郎大系』2巻,159頁)
今年も残すところ、僅かになってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
これからの時期、20歳以上の方は「忘年会」という名のお酒を飲む宴会に参加する機会が多々あると思うのですが、今回はその宴会に関する師範の「ひとこと」です。また、柔道と関係ない話をしていると思われる方は是非、出典をもう一度ご確認下さい。「柔道と宴会」まさにそのままのタイトルです。
「心身の力を最も有効に利用する」という柔道の原理に照らし、社会をよくしていこうと考えていた師範の目に、宴会は「改良を要する」ものとして映ったようですが、具体的に宴会のどのような点に問題があると考えたのでしょうか。
「時間の不経済」「衛生上の不注意」「無駄の費用」の3つを師範はあげています。もっともここで言う宴会とはお座敷に座り、1人1人の前に膳が置かれて給仕がつくような宴会なので、我々が現在、日常的に行う宴会(飲み会)とは必ずしも一致しないと思いますが、現在でも通じそうな点を紹介したいと思います。
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