【eJudo’s EYE】「技術で立つ全日本だった」「公に資する意志を以て全日本改革を」/令和5年全日本柔道選手権大会「評」②

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文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

「技術」で立つ全日本だった

2回戦、太田彪雅が奥野拓未から内股「一本」。技術的に極めて興味深い一撃だった。

ここ10年の「重量級の柔道」の進化が見えた全日本だった

鈴木桂治監督がサラっと吐き、新聞各紙が短く報じた「重量級の技術が上がっている」という評価。これはさすがである。鈴木監督の評価は簡にして要を得ている。まさに、技術で立つ全日本だった。

32歳の羽賀龍之介と30歳の王子谷剛志が決勝を争った全日本。選手の息が長くなっている昨今の柔道界の事情(ルールは明らかに若くフィジカルがあるものに有利になっているのに、この逆転現象は面白い)が端的に表れたと言っていいカードだと思うのだが、これが「若手が不甲斐ないから」ではなく、柔道競技者の技術の向上によるとまっすぐ観察出来ることが非常に面白い。スポーツ科学の発達による体作りやコンディショニングのレベルアップはもちろんだが、柔道競技の技術レベルは、確実に上がっていると思う

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