「口は災いの本(ママ)と、昔からいい習わしてあるように、不謹慎な発言が往々他人の感情を害し、自己の品位を傷つけることになる。」
出典:「精力善用自他共栄の原理を日常生活に応用することを怠るな」
柔道3巻6号 昭和7年(1932)6月 (『嘉納治五郎大系』9巻196頁)
今回の「ひとこと」、まず出典タイトルから、注目してみましょう。
「精力善用自他共栄の原理を日常生活に応用することを怠るな」。
道場での稽古を通して体得した「精力善用」「自他共栄」を日常生活に応用する。ここまでは、しばしば目にすることですが、「怠るな」という文末はいかがでしょうか。「怠る」とは<しなければいけない事をなまける>ことです。師範にとって、「日常生活への応用」は<できる限り実行しようとする>といった努力義務などではなく、実行しなければならない<義務>です。その意志が、「怠るな」という強い言葉として、ここに現れたのでしょう。我々柔道修行者は「日常生活への応用」が義務であることを改めて肝に銘じる必要があるでしょう。
さて、「口は災いのもと」。バリエーションがいくつかありますが、よく耳にする言葉で、意味も皆様ご存じの通りです。不謹慎な発言は、言われた側の気分を悪くし、さらに、そういう発言をした発言者自身の品位を傷つける・・・決して難しいことは言っていません。
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