②二回戦/令和5年全日本柔道選手権大会・全試合戦評

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日時:2023(R5)年4月29日
会場:日本武道館
文責:古田英毅 写真:乾晋也、辺見真也

(一回戦からつづく)

原沢久喜(中国・長府工産)○優勢[技有・大内刈]△小原拳哉(東京・パーク24)

原沢が右大内刈「技有」

身長191センチ体重120キロの原沢が右、同177センチ81キロの小原が左組みのケンカ四つ。小原が釣り手で内側から腋を突き、原沢は上から奥襟に被せ、ともに引き手を争う。小原片手の左内股で先制攻撃も、原沢が引き手で襟を持って圧を掛けると頭が下がって苦しい状態。いったん潰れ、続く展開は釣り手で袖を絞っておいての右一本背負投、続いて原沢が一気に伸ばした両手を外して切り離し、なんとか展開を繋ぐ。1分14秒、双方に「取り組まない」咎による「指導」。再開されると、原沢周囲を旋回すると見せて一気に両手で襟を高く掴み、前に引きずる。股中の右体落で崩して送襟絞を狙い、片手の右内股で崩し、釣り手で後帯を持つと浮技に身を捨ててと、この時間帯はがっちり主導権を握る。小原巴投を見せるが原沢僅かに膝を曲げたのみでしっかり潰し、直後の2分31秒には小原に偽装攻撃による「指導2」。テクニカルファウルとしてはやや厳しく、展開こみの評価という印象。

残り1分、原沢引き手を確保した瞬間、前に呼び込みながら押し戻すようにして右大内刈。小原は原沢ケンカ四つ時の得意技である小内刈を想起したか一瞬反応が遅れ、原沢の巨体の乗り込みに堪え切れず。吹っ飛んで3分2秒「技有」。

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