「 最も大切なる一つの心得は、対手(あいて)と自分が共々に稽古をしているのであるから、何事も自分本位でしてはらならぬということである。 」
出典:『柔道教本・上巻』 昭和6年9月 (『嘉納治五郎大系』3巻401頁)
講道館柔道を修行する上で重要な理念である「精力善用」。その成り立ちは、柔道の技の原理探求の成果と言われています。
ところが、対になっている「⾃他共栄」については、成⽴経緯が明確ではありません。また、道場における柔道との関係で、師範が「自他共栄」が具体的に語った史料もあまり見られないのが現状です。
そんな少ない例の1つが、中等学校1・2年生向けとして師範が記した『柔道教本・上巻』の中に見られます。「自他共栄と形・乱取の練習」という項目ですが、その中で出てくるのが、今回の「ひとこと」です。
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