「 旅行から十分の利益を得ようと思えば、自分の力の及ぶかぎり各方面のことに心を配って、なるだけ多くの得物をしようと心掛けねばならぬ。 」
出典:「柔道の修行はその各方面の練習を兼ねて行うてこそ真の意義を有するのである」
有効の活動 7巻9号 大正10年9月
(『嘉納治五郎大系』2巻80頁)
「実業之日本社」という出版社があります。
そこから「実業之日本」という雑誌が刊行されていましたが、明治45年(1912)1月に発行された号に「余の最も好むもの・最も厭(いや)なもの三つ」というアンケート結果の記事が掲載されています。そこに高橋是清(首相、日本銀行総裁など歴任)や下田歌子(女子教育の先駆者・歌人)などの著名人と並んで嘉納師範の回答も掲載されています。師範の好きなもの・嫌なものが一体何か、気になりますが、好むものの最初にあげられているのは「責任を有せざる旅行」です(※)。旅行がお好きだったのですね。
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