「人と共に飲酒して始めて打解けた間柄になれるなんと考えている人は、理想の低い人といわなければならぬ。」
出典:「時弊の救済と柔道」 柔道 1巻4号 大正4年(1915)4月
(『嘉納治五郎大系』4巻194頁)
「なるほど!」と納得した人は殆どいないのではないでしょうか。むしろ、疑問を持ったり、反論したい人の方が多いかもしれません。
子供では出来ない、大人ならではの社交。一緒にお酒を飲み、普段とは違うお互いを見せ、話をすることにより短時間で仲良くなる・・・ことがあるのは事実でしょう。
「飲みニケ-ション」といった俗語もありますし、筆者もお酒を一緒に飲むことに、そういう効果があると思います。
ですが、師範はそういった考えを「理想の低い人」とバッサリ切り捨てます。酒の上でなければ本心を話せないような人は「幼稚な人」だと。さらに師範は言います<酒の場で聞いたことは素面のときに聞いたことほど信用できないだろう>と。
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