(評①からつづく)
文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta
これほど「成長」が見えた大会はない
令和5年度大会、男子団体試合は感動的だった。史上に残る名勝負となった決勝戦、陥落寸前だった国士舘の大将・畠山凱が、東海大相模・杉本明豊から奇跡的な合技「一本」を挙げて全ての試合が終わったとき、興奮と同時に、まず「実にいい大会だった」と素直な感動を覚えた。
単にいい試合、熱い競り合いがあっただけではない。史上に残るであろうフィナーレの劇的さに引きずられたわけでもない。いったいこの感動の所以はなんであろうかと思わず呟いたところで、編集部のスタッフが「『成長』ではないでしょうか」と一言口にした。まさにそれだと大きく頷いた。大会通じて、これほど選手の「成長」が見えた大会はいままでなかった。この点で言えば、少なくとも筆者が取材をするようになってから、歴代ナンバーワンの大会だったと思う。
国士舘、相模、作陽、大牟田。「成長」こそが感動の因だった。
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