⑦「準決勝」/令和6年全日本柔道選手権大会・予想座談会

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令和6年全日本柔道選手権大会・予想座談会。座談会参加者。左上から時計回りに、朝飛大、垣田恭兵、西森大、司会の古田。

「⑥準々決勝」からつづく)

準決勝

王子谷剛志(九州・旭化成) ― 中野寛太(近畿・旭化成)

王子谷剛志(九州・旭化成) ― 中野寛太(近畿・旭化成)

古田 ベスト4です。まずは連覇を狙う王子谷剛志選手と、中野寛太選手の対決です。読者の皆さん向けに基本スペックを挙げておきますと。王子谷選手は31歳、186センチ145キロの右組み。中野選手は23歳、182センチ128キロの左組み。組み手はケンカ四つということになります。

朝飛 これは難しいですね。

古田 ここまで来たら、まず材料を出し合って話し合うという形で良いのではないかと思います。まず朝飛先生の所見をお願いします。

朝飛 中野選手の足技の上手さと威力、これがまず大きいですね。王子谷選手の重さを打ち崩すものがあると思います。背中から落とせるかどうかとなるとわかりませんが、前にバタンと落とすことは何度も出来るはず。今これだけ安定している王子谷選手をもってしても、かなり前には出づらいのではないかと思います。王子谷選手の側の攻めとしては、たとえば奥襟と前襟を掴んで前に煽れた場合には右小内刈が掛かるのではないかと思います。ただ、中野選手。この間の小川選手との試合を見ても、大きい選手相手の戦い方が非常に上手くなっているんですね。

古田 対小川選手。昨年6月の全日本実業団体対抗大会決勝で、支釣込足を中心とした蹴り崩しで展開を取って、「指導2」の優勢で勝利しています。これが旭化成の決勝点となりました。

2023年6月、全日本実業団体対抗大会決勝。中野寛太が得意の足技で小川雄勢を再三伏せさせる。
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