【隔週刊・嘉納治五郎師範のひとこと】第34回「私は柔道の修行を始めてから四十余年、その間絶えず攻撃防禦の百般につき工夫し、ついにそれらの間に一貫した原理があってしかもそれは精力の最善活用にあるということを確信するにいたった。」

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嘉納治五郎師範_MASTER JIGORO KANO

「私は柔道の修行を始めてから四十余年、その間絶えず攻撃防禦の百般につき工夫し、ついにそれらの間に一貫した原理があってしかもそれは精力の最善活用にあるということを確信するにいたった。」

出典:「精力の最善活用」大勢 1巻1号 大正11年(1922)4月
 (『嘉納治五郎大系』9巻4頁)

<「あなたが見たのはこんなものだったかい?」と、そばやが顔をなでながら言うと、そばやの顔は卵のようになった。と同時に灯りが消えた・・・>

暑い季節につきものの怪談ですが「のっぺらぼう」でおなじみのこの話(原題は「狢(ムジナ)」)の作者ラフカディオ・ハーン(日本名・小泉八雲)。彼には日本を題材とした多くの著作がありますが、その中に熊本在住時の体験を記した「柔術」という名の小文があります。

熊本の第五高等中学校(熊本大学前身の1つ)で教鞭を執っていたラフカディオ・ハーンが、当時の学校長の説明を受けながら、柔術の稽古を見た経験を記しているのですが、その中で、彼が驚嘆しているのは「相手の力に逆らわずその力を利用して相手を制する」というものでした。ギリシャという西洋圏に生まれた彼にとって、この思想とそれを体現する技術は、日本のすごさとして受け取られたようです。

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