「柔道を教える方法の一として、講義は欠くべからずものである。」
出典:「講道館柔道講義 第四回」
国士1巻6号 明治32年(1899)3月(『嘉納治五郎大系』3巻,16頁)
嘉納治五郎師範は、講道館柔道の修行には数々の得るものがあると述べています。それは身体的なものはもちろん精神的なものもあわせた広範に亘るものになります。
我々が柔道という言葉を使うとき、それは乱取とその乱取に基づく競技が主になるでしょう。そういった中で、柔道修行の身体面におけるメリットは分かりやすいですが、精神面はどうでしょう?厳しい稽古や環境を経験することにより、精神面が強くなるといったことはよく耳にするところです。
ただ、精神面の成長について、全てではないにしても、師範は<むやみやたらに形・乱取をしても出来るものではない>と言っています。では、どうすれば、精神面の成長をより広い範囲で得られるのかと言うと<平素それらの力を養おうと心掛けること>が大事だと述べています。
心掛けをするか否かという、割と本人任せのように聞こえる発言ですが、ここで、思い浮かぶのが柔道の修行方法である「乱取」「形」「講義」「問答」のうち「講義」になります。
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