⑦準決勝・決勝・総評/令和4年全日本柔道選手権大会振り返り座談会

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令和4年全日本柔道選手権振り返り座談会(朝飛、上水、西森、古田)
座談会は5月3日、4日にオンラインで行われた。右上から時計回りに西森大氏上水研一朗氏朝飛大氏、司会の古田

⑥準々決勝からつづく)

ベスト4の顔ぶれを見て

準決勝

古田 いよいよ準決勝戦。毎年ここでベスト4のメンバーを見て、一言ずつ頂くことになっています。今年の陣容は小川雄勢(東京・パーク24)影浦心(推薦・日本中央競馬会)斉藤立(東京・国士舘大3年)原沢久喜(推薦・長府工産)。皆さま、順に一言ずつお願いします。まず西森さんからお願いします。

西森 俄然、斉藤選手が勝ち上がる可能性が高くなったと思いました。上水先生もおっしゃられていましたが、準々決勝の消耗度合いが4人のなかで一番少なかった、そこまでの2試合は長く戦っていますけど、ここに来ての1試合をそれほど消耗せずに勝ち上がれたのは大きいと思いました。俄然、初優勝への期待が膨らんだタイミングでした。

古田 朝飛先生、いかがですか。

朝飛 出揃ってみれば、やはり代表選考に絡んだ4人が勝ち残ったなと、まず思いました。そしてこの時点で会場全体の、斉藤立選手に対しての期待度の高まりを強く感じましたね。

古田 あきらかに雰囲気がありましたよね。後世に向けて、この時点を語るのであればぜひ触れておきたいポイントです。

朝飛 はい。そしてこれは個人的に、原沢選手の格好良さと執念深さ、同時に影浦選手の執念深さが強く印象に残ったここまでの試合でした。

古田 ありがとうございます。上水先生、この4人を見ていかがでしょう。

上水 重量級が4人揃った。これぞ全日本という感じかな、という印象を受けました。山下(泰裕)・斉藤(仁)・正木(嘉美)・松井(勲)というような(笑)。「これより三役」と言いますか、さあ、盛り上がっていくぞ、という感じですね。全日本選手権ならではの雰囲気を感じました。その中でひときわ注目すべきは斉藤選手の勢い。準々決勝の戦いは「波が来たかな」と思わせるものでした。この波を斉藤選手がそのままものにするのか、あるいは原沢選手、あるいは決勝戦の相手がそれを阻止するのか。焦点はそこになるかな、と思ってみていました。

朝飛 確かに、重量級が4人揃うというのは、なかなかありませんでした。井上康生さん、鈴木桂治さん、穴井隆将さんと長い間100kg級の王者が続きましたし、石井慧選手ももともとは100kg級でした。昨年、一昨年は羽賀龍之介選手が決勝に残っていますし。重量級の有望選手が取りこぼしなく、揃って上がって来るというのはなかなかありませんでしたね。

西森 いま資料を見たところでは、平成27年、28年が重量級が揃ってますね。27年に原沢久喜選手が優勝、準優勝が七戸龍選手で3位に王子谷剛志選手と西潟健太選手。28年が王子谷選手が優勝し、2位に上川大樹選手、3位が七戸龍選手、原沢選手。

上水 なるほど。

古田 重量級の復興期でしたね。

朝飛 凄いメンバーです。誰が日本代表になってもおかしくない。

西森 朝飛先生がご指摘されたように、この2年以外はずいぶん前まで、必ず100㎏級の選手が入っていますね。。平成27年大会の前に準決勝に100㎏級が上がっていないとなると、実に平成11年までさかのぼりますね。優勝が篠原信一さん、2位に棟田康幸さん、3位が猿渡琢海さん、三谷浩一郎さん。

朝飛 まさに「これより三役」という感じですね。

古田 今年は、全日本らしい要素が本当にたくさんあった大会ですが、ここも象徴的なところですね。軽量選手もいれば、地方から一芸を懐に呑んで勝負を掛けた選手もいる。その中で、重量級の「三役」たちがしっかり勝ち上がって終盤戦を戦うという。では、彼らの戦いを、順番に見ていきましょう。

準決勝

影浦心(推薦・日本中央競馬会)○GS反則[指導3](GS4:57)△小川雄勢(東京・パーク24)

影浦が片襟を差して思い切った左背負投、直後小川に3つ目の「指導」
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