【隔週刊・嘉納治五郎師範のひとこと】第29回「柔道は本来の目的から見れば、道場における乱取の練習のみをもって、満足すべきものでないということに鑑み、形の研究や練習に一層力を用い、棒術や剣術も研究し、外来のレスリングやボクシングにも及し、それらの改良を図ることに努めなければならぬ。」

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嘉納治五郎師範_MASTER JIGORO KANO

「柔道は本来の目的から見れば、道場における乱取の練習のみをもって、満足すべきものでないということに鑑み、形の研究や練習に一層力を用い、棒術や剣術も研究し、外来のレスリングやボクシングにも及し、それらの改良を図ることに努めなければならぬ。」

出典:「講道館創立満五十周年を迎えて」
柔道3巻5号 昭和7年(1932)5月(『嘉納治五郎大系』1巻380頁)

最近、日本トップレベルの選手と他種目の技術交流に関するニュースを目にする機会が増えました。レスリングと合同合宿。ブラジリアン柔術家による技術指導。さらには忍者による講習。ニュースになるということは、それだけ、これまでの柔道にはない目新しいことだと言えるでしょう。

ですが、「今回のひとこと」を見ると、今から80年以上前、すでに師範が異種目の技術研究と講道館柔道のさらなら改良を考えていたことが分かります。

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