【月刊・嘉納治五郎師範のひとこと】第111回「世の中の風をこれに向けるにはやはり制裁が必要である。」

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月刊・嘉納治五郎師範のひとこと

出典:「報恩感謝」国士5巻42号 明治35年(1902)3月
(『嘉納治五郎大系』4巻119頁)

今回の「ひとこと」、「制裁」などと、ドキッとする言葉が出てきますが、どういうことでしょうか。

前回(110回)、<無駄な争いをさけるために「相互」に冷静であること>と、相互にカッコをつけて強調しました。相互、くだけた言い方をすれば、「お互い」にということです。
最近、度々目にする「相助相讓」という師範の言葉も、互いに助け合い、譲り合うということです。非常に分かりやすく響きの良い言葉ですが、何か引っかかるものはありませんか。

無駄な争いをさけるために、冷静であること。ここでは、「お互い」であることが、欠かすことの出来ない条件になっています。しかし、こういうケースも考えられるのではないでしょうか。
自分が冷静であろうとしても、相手にその気がなかった。自分は相手を助けようとしても、相手が違った。自分は譲ろうと思ったけど、相手は違った、それどころか、さらに色々と要求してきた・・・。実生活では十分あり得ることです。

そういった場合について、師範はどう考えていたのか。ヒントとなりうるのが、今回の「ひとこと」です。
引用元は、「報恩感謝」-与えられた恩(というと上から目線ですが、親切くらいに捉えてください)に対して感謝する、報いようと頑張ろうとする-についての論考です。

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